発展途上国では過去30年の間に、大豆、アブラヤ シ、ココア、コーヒー等の生産に使われる農地が、5千万ヘクタールから1億ヘクタールと倍増しました。これはギリシャの3倍の面積に相当します。その農地 の多くは、森林を切り開いて作られてきたのです。人口と収入の増加そして都市への人口集中が上に挙げた作物への需要を、安い土地と労賃そして政府による補 助金が需要に対する供給を、急速に増加させました。ただし、収穫高が増えたのは、生産性があがったというよりもむしろ農地の拡大によっています。生産高が 増えると単価が低下しますし、ある作物へのブームは突然に去ってしまうことがあるため、発展途上国が得ることができた利益がどれくらいなのかは、はっきり していません。
国際NGO、コンサべーション・インタ-ナショナルが出版した「商品作物と自然保全-熱帯における大面積保全の必要性 -」は、上に挙げた4つの作 物、牧場、植林地の拡大について検討しています。同書の著者らは、商品生産のための土地が増加することで、生物多様性が失われることに危機を感じていま す。そして、環境に優しい農業技術を適用するだけでは不十分だと考えています。
ブラジルの大豆生産高は世界の4分の1近くありますが、農地は30年前と比べて1300万ヘクタール以上も増加しています。その農地の大半は、中南部のサバンナを開墾して作られて来ましたが、拡大する農地はアマゾン川流域に近づいています。
コートジボアール、ガーナ、そしてインドネシアの一部の地域では、ココア生産のための農地開発が、森林の減少を引き起こしてきました。こ の3つの国で生産されるココアの量は、全世界の7割に達しています。ココア生産の歴史によると、ある地域で生産が快調なのは20年から30年で、その後は 病害や木の高齢化その他の問題で生産が落ち、新しい地域に産地が開かれています。
コンサべーション・インターナショナルは、世界中で 25の生物多様性が危機に瀕している地域を指定しています。そしてそのうちの4分の3はコー ヒーの主要産地と重なり合っています。そして、1000万ヘクタールのコーヒー農園がすでにあります。最近は、ベトナムでコーヒー農園造成のために、森林 の伐開が急速に進んでいます。発展途上国内の牛肉に対する需要がこれから15年で倍増し、それぞれの国で必要な牛肉を生産するために、森林が大面積に伐り 開かれ牧場が造成されるという予測があります。
このような問題を解決するためには、自然公園を増やすべきだと、著者らは述べています。 それが正しい解決策かどうかは、まだまだ検証の余地があり ます。読者の皆さんも、コーヒーやココアを飲むとき、ハンバーガーを食べるとき、森林を失わずにすむ方法に想いをよせてみてはいかがでしょうか。
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The full reference for the documents is: Niesten, E.T, Rice, R.E., Ratay, S.M. and Paratore, K. 2005. Commodities and Conservation: The Need for Greater Habitat Protection in the Tropics, Washington D.C., Conservation International.